オシッコに血が混じったら急いで病院へ

ペットを御飼いの皆さん、出来れば何時もオシッコの状態を御注意ください。出来れば少しの出血でも見逃さないような床材をお勧めします。床材はオシッコを吸ってくれる事はありがたいのですが、色や臭いの変化が判らなくなる様では逆効果です。色は白っぽい方が良く色がわかります。臭いも体調を反映します。抗菌剤や消臭剤をガンガン沢山使って、臭くしないようにされるのが、現在の風潮ですが、決して良くありません。出来れば薬に頼らないで、毎日しょっちゅうオシッコやウンチで汚れた床材全部を取り替えてください。何日も使い回しにされない方が健康的です。

オシッコに血が混じる場合は大きく分けて、尿路系の病気の場合と、メスの場合は生殖器系の病気の場合があります。オシッコの検査を行って識別できます。

オシッコに血が混じったウサギさんです。

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5〜6才のメスのウサギです。妊娠はしていませんが、想像妊娠を起こして乳腺が張っています。オシッコに血が少し混ざっていました。卵巣に腫瘍が出来ていると診断されました。放って置くと出血は更に止まらなくなり、お腹の中の腫瘍が悪化して死亡します。飼い主様と相談して手術をして助けてあげる事になりました。手術前や手術中・手術後に輸血が出来ない動物では、出血や貧血が心配ですので、手術に備えて事前に造血治療を2回行いました。

体重はわずか1キロの小型ウサギです。半年前にもオシッコに血が混ざっていたようです。卵巣の腫瘍が原因だとすると、大きく成長している可能性があります。腫瘍による臓器の癒着や、他の臓器への転移が心配されます。体に優しいABC動物病院のガス麻酔で体への負担を軽くしましょう。

正常な子宮は細く色も白っぽいのですが、腫瘍化した卵巣の過剰なホルモンのために、まるで胎児を育てる時と同じように多くの血管が活性化して太くなっています。優しく取り扱わないと直ぐ出血する恐れがあります。

ビックリしました。右側の子宮の一部が大きく腫瘍化して大きなコブになっていました。表面から少し血液が滲み出していました。非常に危険な状態です。放置しておいたら腫瘍が破裂して大出血を起こして急死する所でした。今回も神様のご加護があって手術を受けるチャンスに恵まれた感じです。こうなったら、如何しても助けなければなりません。気合を入れて頑張りましょう。

卵巣や子宮の腫瘍は、通常の10倍以上に大きく発達した血管を確り止血処理しないと取り除けませんが、どの血管も大動脈ぐらいの太さに発達していますので、失敗したらアッと言う間に死亡します。また、犬や猫と違って、卵巣と子宮を支えて吊っている靭帯が非常にもろくて、無理をすると千切れたり破れたりの事故を起こします。写真で僅かに小さく見える黄色い部分が腫瘍化した卵巣(黄体性の腫瘍)です。ABC動物病院では、1滴の出血も無しに手術を進める特別な技術が有りますので、今回も持てる力を総動員しなければなりません。

困りました、如何してもこれ以上は引き出すことが難しいです。黄色く見える部分は黄体化した卵巣の腫瘍です。通常の5倍以上に大きくなっています。ここで、過剰な黄体ホルモンを作り続けるので、乳腺炎が起こったり、乳腺腫瘍(乳癌)を作ったり、子宮炎や子宮腫瘍や子宮出血を起こします。また、過剰なホルモンを分解するために肝臓が働きすぎて肝臓障害も引き起こします。もともと卵巣は木綿豆腐ぐらいの柔らかい組織ですので、癌細胞が腹腔内に飛び散りやすいです。近くの腸や肝臓に癌が転移する場合も多いです。この卵巣の向こう側に、目指す卵巣動脈があります。トテモ厳しい手術になりました。

通常の手術法では、血管の安全な止血が不可能ですので、特別なやり方で切り抜ける事になりました。まず、卵巣の上部と下部を何度も何箇所も、確り血管を縛って止血します。

手術中に卵巣の腫瘍細胞(癌細胞)を回りに飛び散らさないように先に取り除くことにしました。

何とか卵巣動脈の処理が終わりました。とても、腫瘍が発達していたので、壊れやすく、デリケートな手術が要求されました。ABC動物病院の得意とする所ですが、一発触発の危機が有りますので、まるで地雷原を歩いている様な緊張が続きます。小さなウサギなのに腫瘍はトテモ大きいです。

今度は左側の卵巣腫瘍です。右側よりも僅かに引き出しやすいです。黒っぽい管は腸管です。黄色く見えるのが卵巣腫瘍です。指でつかんでいる部分は子宮の腫瘍部分です。

左側の卵巣動脈の処理が無事終わって、やっと卵巣腫瘍の切り離しです。

何とか頑張って左右の卵巣腫瘍を取り除きました。血管の流れをしばれれた為に色がどす黒く変化してきました。それぞれ大きな腫瘍を作っている事がわかります。これから中子宮動脈を止血して子宮腫瘍の取出しが待っています。

このウサギちゃんの場合は、すでに皮下組織にある乳腺組織ではミルクが一杯溜って細菌感染を起こして乳腺炎を起こしています。コンデンスミルクの様な濃厚な汚染されたミルクが広い乳腺組織に一杯溜っています。手術による傷の治りに非常に悪い影響を起こします。傷口に腐った牛乳を注ぎ込んでいるのと同じ状況です。よって、通常の方法では傷口の化膿は防げませんので、特別な方法を駆使して傷を塞ぎました。傷口が気になってウサギがなめる場合も有りますので、人間の美容整形手術に用いられる特殊な方法で皮膚を縫ってあります。化膿を防ぎ、傷跡を残しません。果たして上手く治るでしょうか?

手術終了直後です。何とか起き上がろうとしています。さあ、頑張れ! ABC動物病院は出血させずに大きな腫瘍を綺麗に取り出しました。でも、始めからお腹側の皮膚や乳腺には細菌感染を起こした乳汁が充満しています。これから、頑張って自分の体力で炎症やバイ菌を退治できるでしょうか?草食動物ですから、抗生物質は毒になります、抗生物質に頼らずに自分の免疫力や自然治癒力をドンドン高めてあげる事が、ABC動物病院でなければ出来ない特別な治療法です。

手術の翌日です。矢張りお腹が痛いのか?野菜だけ食べたので野菜が無くなっています。早くペレットや牧草をモリモリ食べられると良いのですが。大きな血管ばかり止血してあるので、無理をすると出血を起こす危険が有ります、絶対安静です。数日入院が必要です。まだウンチが出ていません。でもオシッコは出してくれました。耳の血管も未だ細いです。

手術の2日後です。やっとウンチが出始めました。食べる量が増えています。少しずつ痛みが軽くなっている感じです。手術は成功でしょうか?お腹の傷も今のところは大丈夫そうです。

ABC動物病院では、草食動物には決してペットシーツは使いません。ペットシーツに含まれる化学物質が草食動物に毒になります。そばにあるだけで、自然治癒力を失って、体の具合を悪くしてしまいます。一日に何度もお掃除をして綺麗にしてあげる事が大切です。手術後3日目の具合です。良く食べるようになったのですが、カメラが好きではないそうです。カメラを向けると食べていたのを止めてそっぽを向きました。耳の血管が少し浮いてきました。良かったねー。もうちょっとしたら退院できそうですね。可愛がっている優しい飼い主さんは忙しい仕事の帰りに毎日お見舞いに来てくれます。これからもズーット健康に長生きして一緒に暮らそうね!

ウサギの子宮・卵巣・の腫瘍(癌)の手術

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