気になりませんか?その口臭、不健康にサヨナラするチャンスです。

体や毛の臭いは、美容室でのトリミングや御自宅でのシャンプーなどの御手入れで消えてしまう物ですが、中々消えて無くならないのが口臭ではないでしょうか?人間の場合と同じく親しく近くで付き合う場合、出来れば無くなって欲しい物です。その気になる御口の臭いですが、ペット動物の場合には、体の具合によって強くなったり弱くなったり変化します。もちろん強くなる場合は体長に問題がある場合が殆んどです。口を利けない動物達の体の具合を飼い主様に知らせるサインとして何時も気に掛けて欲しい物です。口臭に関連する一番多いトラブルは、御存知の様に歯周病(歯石、歯肉炎、歯槽膿漏、など)です。定期的な御口のチェックのための診察をお勧めします。

洞窟などに形成される鍾乳石の様に少しずつ食べかすがミネラル沈着して硬い歯石になって歯に付着して、また歯とハグキの隙間に蓄積します。こちらの猫ちゃん(ミークン)はワクチン注射のついでに長年貯めた歯石をABC動物病院お得意の無麻酔での歯石除去で取って貰います。上手くいくでしょうか?猫ちゃんが協力しない場合は安全なガス麻酔が必要な場合も有ります。

何とか猫ちゃんも協力してくれたので、無事歯石を取り除く事が出来ました。ミークンお疲れ様です。御覧の様に張り付いた歯石の下でハグキの肉が絶えずバイ菌によって攻撃されているので赤くタダレテいます。でもh具気の健康を妨げている歯石を除去すると、またハグキが元気を取り戻して長年の炎症を治す事が出来ます。

次は、チョッと気になった口臭が、より重大・深刻なトラブルを発見・解決するキッカケとなり、
命拾いをする事となったラッキーなワンちゃんの症例を御紹介いたします。

以前から口臭がきついので歯石除去を希望されていた2歳のキャバリアの患者さんです。あまり無き声を聞いた事が無く、食も細いとの事でした。診察の結果で、心臓の除脈(通常よりも心拍が少ない)が有ったために、心臓にトラブルを持っている事がわかりましたので、ガス麻酔は特別低リスクの条件で行う事になりました。写真は超音波歯石除去装置を使って歯石を取り除いた後です。歯石の付着程度は中位で特別多くはありませんでした。

よく、テレビなどで動物病院において動物の歯石除去のシーンが放映されますが、意外と、ガス麻酔でなく安価な注射麻酔で行われる事が多く、オマケに獣医師以外の医療スタッフ(一人)にお任せで行われている場面を見かけます。誰も麻酔の状態を監視していないようです。歯石除去の際に冷却液等の汚水がこぼれるので、流し(シンク)の上のスノコの上などで行われるようです(勿論水平に横たわる姿勢です。)。獣医医療の良識に照らしますと、注射麻酔による過剰ストレスと、汚物を気管に吸い込む誤嚥事故が心配されます。気管内に汚物の進入を許さないバルーン付シリコン気管チューブと、脳を守る為の十分な酸素と最小限の麻酔ガスを用いる、体に優しい安全なガス麻酔はたとえ手間が掛かって、費用も高価であっても大切な動物には欠かせない医療技術です。

せっかく超音波振動で除去した不潔な歯石や、バイ菌で一杯の汚物が、動物の口やノドに入って、飲み込まれたり、気管に入ったりすると、胃腸炎や鼻炎、気管支炎・肺炎を起こす医療事故につながる恐れがあります。バルーン付気管チューブで気道を塞ぐのと、頭部を可也低くした(傾斜角20度以上)手術姿勢を保つ事で、この様なお粗末な事故は防ぐ事が出来ます。操作が簡単で安易な注射麻酔の方法によらずに、多少人手や手間が掛かっても、動物の安全・安楽のためにABC動物病院では、動物の歯石除去手術においては、必ず高度医療のガス麻酔での歯石除去手術を行っています。勿論手術中は色々な手術モニター装置がが安全を監視しています。

こちらのワンちゃんは可也口臭がきついです。歯石の程度は中位でした。年齢も未だ2歳と若いのですが、歯石以外にも原因が有るのでしょうか?よく御口の中やノドの奥を調べてみましょう。ベロの付け根に何かヒモのような物が張り付いていました。何でしょうか?

何とビックリしました!ベロの裏側にまるでピアスか何かの様に汚い汚物の付着したひも状の物が刺さっていました。その部分から出血もしていました。如何してこのワンちゃんはコンナ痛い事になったのでしょうか?パンクロックの歌手みたいにピアスの趣味が有るのでしょうか?そんなバナナ?

ベロの裏の反対側を調べると矢張り此方側にも穴が開いて汚いヒモが通っていました。此方も出血していました。ベロを右から左に突き抜けた汚いヒモは其々ノドの奥に飲み込まれています。可也きつい調子でノドの方に引っ張っている状態です。良く調べるとベロの裏側の付け根に白く変色した部分が有りまして穴に向かって延びていました。

この様な状況から推理してみますと、何か長いヒモ状の物を誤って飲み込んだ時に運悪くベロの下に引っかかったままになって長期間の時間が経過した結果、ヒモが少しずつベロの組織を引き裂いていって現在の位置まで移動したのでは無いでしょうか?先に引き裂かれた部分は幸運にも自然にくっ付いてしまって白い瘢痕組織を作っていると思われます。可也きつく引っ張れれて居る様子から、ヒモは結構長くて、食道だけでなく、胃の中や場合によっては腸の中まで達しているのかもしれません。非常に大きな危険をはらんだ可哀想な症例です。

良く時代劇で敵側に捕まった忍者が舌を噛み切って自殺しますが、ベロの中には結構太い動脈が走っています。傷つける範囲が大きくなると大出血を起こして死亡する危険が有ります。若し飼い主様が口臭を気にせずにホオって置いて、お口の中を詳しく調べる機会が無かったら、そのうち突然大出血が起こり悲惨な形で、このワンちゃんは急死するはずでした。飼い主様が夜眠っている耳元へ神様のささやきでも有ったのかも知れません。ラッキーでしたね。

左右からベロを突き抜けたヒモはノドの辺りで1本に合わさって咽喉頭部を傷つけて、食道に入って食道にも長い縦の亀裂を作っていました。食道が縦に裂ける危険も有りました。食道は気管と並びあって胸部を貫き、心臓の真上を通っています。その後横隔膜を貫いて胃につながっています。写真のペットシーツの上の細いヒモが、ワンちゃんのノドから少しずつ引き出されている途中の物です。奥に行くほど太く絡み合っていました。随分長いです、確実に胃に届いていたようです。引き出すのに可也の抵抗があります。胃や食道や咽喉頭部を傷つけないように、大出血を起こさないようにトテモ慎重に行っています。

大体の部分が無事出血を起こさずに引き出せました。広い範囲に渡って、ひどい化膿や炎症が起こっているために、とても臭い状態です。良くコンナ状態で今まで暮らしていたものです。このワンちゃんはトテモ苦しい生活をしていたのだと判ります。ヒモが通っている広い範囲に渡って、痛みや出血、化膿などが続いていたので、食も細く、ノドも引きツレテ鳴き声も出せずに、オマケに心臓の調子まで悪くしたと思われます。今回の大発見と取り除き手術が、このワンちゃんの苦痛に終止符を打ち、健康で幸せな生活をもう一度取り戻させるでしょう。

胃を刺激していたために胃の中でも出血が続いていたようです。消化されて黒茶に変色した血液が大量に付着しています。調べてみますと、細かいビニールヒモ、人間の髪の毛(多分女性の長い髪の毛)、ワンちゃんの毛、木綿糸、サランラップ、ビニールのちぎれ色の付いた糸くず、などが判別できました。ペットは何故か糸やヒモや抜け落ちた髪の毛に大変興味があります。直ぐに口に運んで飲み込んでしまいます。室内の床に落ちている物(ヒモ)に特に御注意ください。それと、出来れば毎週・あるいは毎日、ペットのお口の状態や、口臭のチェックをお勧めします。思わぬ命拾いをする場合が、お宅でもあるかも知れません。変だなー?臭いなー?と思ったその時に、すかざずABC病院に御連れください。思い立ったその時と言うのは、頭の中に神様がささやいた時かもしれません、そのチャンスを決して無駄にしないでください。苦痛があっても殆んどの動物達は上手に飼い主様に伝える事が出来ません。苦痛から助けて上げられるのは飼い主様、あなたです。さっそく体中アチコチ色々チェックしてみましょう。

口臭は、歯周病以外の病気も知らせてくれる場合があります。
人間では胃潰瘍や胃癌もそれに入ります。

歯周病および口腔内の異常・炎症・出血・異物による損傷

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