突然血まみれの何かが飛び出したマウスの症例

突然お尻から腸のような何かが飛び出して血まみれになったマウスです。大量に出血してトテモ危険な状態です。白いマウスなので、普段は目も赤いのですが重度の貧血の為に目が白く変色しています。意識も薄れてぐったりしていますので、これ以上の出血を食い止めなければなりません。緊急手術になりました。

非常に痛々しいですが、どうも腸ではなく膣と子宮の一部のようです。お腹をぶつけたり誰かに踏まれたりしたのでしょうか?飼い主様のお話では思い当たる事は無いそうです。すでに呼吸の状態もおかしいので、大出血による血液循環の不足で脳の働きがおかしくなっています。直ぐに出血と痛みを止めないと命を失ってしまいます。大変まずい状況です。

小さい体で気の毒ですが、心臓の機能を監視する為に心電図の電極が刺さっています。弱った脳と心臓に負担にならないように繊細な体に優しいガス麻酔技術が必要です。とても長時間は耐えられない様態なので急ぎましょう。

外部からの圧力で臓器が脱出したのでなければ、内部からの圧力で脱出した可能性があります。女の子なので女性生殖器の病気の卵巣と子宮の腫瘍が強く疑われました。沢山の大切な血液が脱出した臓器に含まれて居ます。小動物ではたった1滴の血液でも大変貴重です。ううっ、もったいない!

何とか無事出血が止まりました。後遺症や合併症が心配です。血行不全の影響で脳にダメージが残ったり、手術後も意識がフラフラして食事をしたり確り消化したり出来なくなったり、腎臓の機能も傷害されて尿を作れなくなったりする場合も有ります。若し尿が出なくなると尿毒症で命が失われます。

今回幸運だったのは消化管の方は無事だった事です。若し食べる事が出来て何とか消化して栄養を体に取り込む事が出来れば、少しずつ失った血液を再生する事が出来ます。人と違って輸血が出来ないので、血液を増やす治療を中心に行って、体力の回復と体重の回復を頑張りましょう。大量出血の影響で、脳への血液循環が不足していますので、脳の損傷などの合併症を防ぐために手術後はシバラク酸素室での生活をしてもらいます。

危険性の高い症例でしたが、苦痛の少ない低侵襲性の安全な手術を心がけたお陰で、手術直後にもかかわらず、少し食事を食べ始めました。酸素室の中に居ますが、少し呼吸が荒いです。ちゃんと消化できるといいのですが。

酸素と栄養を運ぶ血液が足りないのでぼんやりしています。目が白っぽいのが判ります。

でも、死ななくて良かったですね。飼い主様も少しホッとされているでしょうか?頑張って元気になろうね。

手術の翌日です。酸素室の中で生活しました。ウンチは少ないながらも出ていました。柔らかく喉越しがよい物だけ食べたようです。この後、血液が増えてきて生活が楽になった5日後ぐらいまで酸素室で暮らしました。体重も増えてきて少し血色が戻ってきたので7日後位に退院されています。若し体力と血液が回復してくれれば、心配の種であるお腹の中の卵巣と子宮の腫瘍も安全に手術で治してあげたいですね。

前回の救命手術から1月以上経ちました。しっぽもドウやら血色が戻ってきたようです。少しお腹が張って元気が減ってきたようなので診せにいらっしゃいました。

でもなんとなく退院した時よりも目の色がまた薄くなった感じがします。チョッと心配です。

念のため良く診察して、レントゲン検査もしてみました。お腹野中に何やら大きな物が出来ているようです。これでお腹が張っているようです。飼い主様と相談して、出来る事ならお腹の腫瘍を無事に手術で取り出す事に決まりました。手遅れで無ければよいのですが、お腹中に腫瘍が飛び散っていたり、消化管などと癒着が激しいと、安全に腫瘍を取り出す事が出来なくなるので手術の途中であきらめる場合も考えられます。

手術が始まって毛を刈ってみると良くわかります。3箇所に大きな黒っぽい物が見えます。トテモ怖い状態ですね。若しこれが腫瘍に血液が溜っている状態だとすると、今後何かの拍子に破裂して一気に大出血する危険がありました。腫瘍が限界まで大きくなって体内で破裂する事が良くあります。其の場合は出血を止めることが不可能なので様態が急変して死亡してしまいます。

何時でも大出血の危険があります。出血したら止められないでしょう。あっという間に死んでしまいます。優しく慎重に、なおかつ無駄な出血を完全に抑えながらの、極度に高度な繊細な技量で手術を進める必要があります。取り出さなければならない腫瘍部分は、どれも限りなく大きいようです。安全に手術が成功するでしょうか?

今慎重に引き出しているのは左側の子宮の一部です。通常の3〜5倍以上腫れていますし血管が一杯発達しています。どうもこの先は左脇腹の黒い部分につながっているようです。 と言う事は黒い部分は左側の卵巣が腫瘍化したものだと判りました。サスペンス映画の時限爆弾の取り除き作業にも似た緊張状態です。少しのミスも許されません。手が震えそうです。

大きな物を取り出すためには大きく切り開く必要がありますが、弱った小さなマウスには負担が重いです。そこで、為るべく縮小させるために、危険ですが溜っている血液を抜き取る事にしました、うまくいくでしょうか?失敗して大出血する危険もあります。針先よ震えないでください。神様!

うひゃー、ずいぶん抜けました。やはり一生懸命に血液が増えるように前回の入院中に頑張って、いったん血色がよくなっていたのが、また少し悪化したのは、こんなところに血液が漏れていた為でした。

これ以上は抜けないところまで溜っていた血液を抜いたところ、ヤット腫瘍部分が顔を見せました。憎たらしい顔ですね、腫瘍には必ず成長を助けるための栄養血管があります。大きくなる腫瘍や成長の早い悪性の腫瘍ほど、其の血管の数は多く、血管の太さは太いです。気をつけて爆弾をはずしましょう。赤いコード?それとも青いコード?あれー全部赤いコードばっかり。

裏側に血管がありました。後大動脈に直結する卵巣動脈です。通常の10倍ぐらいに大きく発達しています。コンマ1ミリの誤差も許されません。手術器具の取り扱いも、ウッカリ動かすと壊れかかった腫瘍組織を傷つけてしまいます。やはり神様の助けが必要です。フォースの共に有らん事を。

画面の端に見える赤茶色の液体は消毒薬です。血液では有りません、御安心ください。手術中に内臓が乾燥するのを防ぐために助手の先生に時々生理食塩水を吹きかけてもらいます。栗のように黒っぽい部分が卵巣腫瘍です。横につながるサツマイモのような部分が子宮の腫瘍部分です。左端の黄色い部分は脂肪組織です。

出血させないように何箇所も縛って取り除きます。

ヤット片側が取れました。

右側の子宮の腫瘍には血液がパンパンに溜っていました。危険ですので引き出せません。こちら側の腫瘍はどうやって取り出せるでしょうか?

非常に危険ですが、同じように慎重に中身を吸い出して切り抜けましょう。マズイ手が震えそうです。

何とか無事に血液を抜き出したら、右側の卵巣の腫瘍が出てきました。こちら側の腫瘍には血が溜っていませんでした。でもやっぱり大きいです。

ご覧のとおり、腫瘍をはぐくんでいる血管が良くわかります。卵巣動脈と子宮広間膜の動脈です。やはり慎重に処理していきます。

ご覧の皆様と神様の応援のお陰で途中で投げ出す事も無く、殆んど全く手術による出血を起こさずに、大きな悪性腫瘍を取り出す事に成功しました。でもまだ手術は終わっていません、きれいに縫って傷が痛まないようにしてあげなければなりません。

最後の1糸かな?オペレーター(高崎獣医師)は極度の緊張の連続で首も背中も指先もコチコチ、、気苦労の性でぐったり疲れていますが、最後まで美しい手術に徹します。痛みなく綺麗に治ってね。

こちらは抜糸にいらした時のものです。すこぶる元気になったと言う事でした。ズーット長生きしてくださいね。

ハムスターと違ってスバシッコクテ手で押さえられないので、抜糸の時もほんのチョッとの間だけガス麻酔で寝てもらいました。ゴメンネ。やはり目が赤くなって健康そうに見えますね。今後とも、ずーっと癌予防の効果の有る、体に良いお薬を続けて食べてくれると良いのですが。

当院で腫瘍の摘出手術や、老齢動物の組織再生手術を受けられた患者様への説明です。或いはこれから手術を御依頼される新規の患者様へ。
                                                
  そもそも腫瘍や組織の老化変性などの病気は体の仕組みが正常を保っていられたら起こらない病気と言えるでしょう。 生き物本来の体の恒常性を保つ機能が壊れて、大切な体のバランスを保てなくなると色々な障害が現れます。 消し残りのタバコの火が大きく燃え広がって森林火災に発達するように、始めは少しの障害がドンドン大きくなったり、積み重なったりして生き物の体の防衛力だけでは手に負えなくなります。 外科手術はアクマデモ一時的な危険回避・緊急避難に過ぎない場合があります。(取り敢えず死なせない為の危険な賭け)  当院の獣医師は外科出身では有りません。 ではなぜABC動物病院では、大きな手術を乗り切った衰弱した動物たちが、少しずつ活気を取り戻して毎日体重がドンドン増えて体力の回復が出来るのでしょうか? 外科手術はそんなに病気に効く医療行為なのでしょうか? いいえ決してそうでは有りません。 手術はアクマデ引き算ですので、足し算する事は難しいです。 ここがABC動物病院の他の病院とは違う重要な部分です! 安全に手術は乗り切りますが、元々の生き物の生きようとする力を最大限に引き出す為の、独自の研究に基づいた特殊治療が手術前・手術中・手術後の動物達をしっかり支えてくれます。 大きな腫瘍を取り除いて、いったん体重が其の分減りますが、前述のABC動物病院の特殊治療で、1週間で手術前よりも体重を増やします。2週間目の抜糸の時には更に体重や体力が増えていて若かった頃の状態にまで戻っています。 まるで魔法のようです。 もちろん魔法です。 ちゃあんと魔法の呪文が有るのですが(魔法の治療でした。) 当院を未だ御利用で無い飼い主様方は、多分信じられないと御思いの事と思います、それはそうでしょう。 普通一般の病院で手術や治療を受けた場合は、手術後は様態が安定しない事が多くて、場合によっては更に悪くなる場合も有るようです。 手術を受けた動物をサポートする治療が有効でないからです。 すでに他の病院で手術に対して悪い印象や暗い展望をもらった患者様は、あきらめずにABC動物病院に御出でください。月とスッポン、天国と地獄の差を実感出来ると思います。 大げさでは有りません。もともと140gの体重だったゴールデンハムスターが何時の間にか少しずつ痩せて気が付いたら90gになっていてオマケニ大きな腫瘍が出来ている場合、ABC動物病院で腫瘍の手術をした場合は、手術日に15〜20g体重を減らしたとしても、1週間後には100g以上に体重を戻してバリバリ元気に食べて壊してトッテモ活力が上がってきます。 2週間後の抜糸の時には150〜160gまで増加して、飼い主様には涙を流して喜んでもらえます。 こんな事はなかなか出来る物ではありません。 患者の動物の側に立った治療、患者の動物の体の事情をチャンと解って上げなくては、良い治療は出来ません。動物を苦しめている根源の問題を解決消失させてこそ、生きようとする力を最大限に発揮できます。 其の為のお薬は退院後は飼い主様にお渡しして御自宅でお薬を与えてもらいます。 体の恒常性を保って、生きようとする力を引き出してくれる特別なお薬は、手術の後もズーット使い続けてください。食欲を改善して、消化力を上げて、体を弱らせたり苦しめたり老化を促進したり発癌を進める毒性物質を体外に解毒排出してくれます、命の可能性を延ばして必ず生き物たちの生きる支えになってくれます。 残念ながら独自の研究の末に手作りの御薬ですので他の医療機関では手に入りません。 とにかくトテモ有効な有り難い御薬の恩恵を、多くの苦しんでいる動物達のために役立ててください。 あなたの大切なペットの具合を必ず楽に改善してくれます。

マウスの卵巣・子宮の腫瘍に続発した子宮脱の救命手術

ABC動物病院の健康・医療のページ

ホームページのフロントへは下のアンダーラインをクリックして下さい。