フェレットの腫瘍(癌)の病気
フェレットの腫瘍は年齢が進むに連れて多くなります。4〜6才以降は極端に増えてきます。特徴は眼に見える腫瘍は多くなく、腹部内臓の見えない腫瘍が多いので、症状が抜け毛が多いとか、下痢するとか、元気が何となく無いとか、漠然としたものが多いので、病院で腫瘍の可能性が高いと言われた飼主様はビックリする場合が殆どです。  ではどんな腫瘍が多いのでしょうか? フェレットの3大腫瘍は、副腎の腫瘍・リンパ腫・膵臓の腫瘍です。どれも体の表面からは直ぐ腫瘍と判りにくいです。 特徴的な脱毛・陰部の腫脹・リンパ節の腫脹・急激な衰弱・体脂肪分の分布変化・貧血などの症状が見られます。共通して元気の喪失があります。原因は諸説有りますが、フェレットの特徴として幼児期に卵巣・精巣の摘出を受けてから市場に販売される個体が多いのと関係が深いとされています。卵巣や精巣を失った場合に、そのホルモン機能を補うために副腎の機能が活発になります。それが過剰になって副腎が腫瘍化すると言われます。 リンパ腫に関しては未確認ですが、腫瘍誘発性のウイルス感染(レトロウイルスなど?)が有るかも知れません。膵臓の腫瘍では血糖値を下げる作用のインシュリンを分泌するインスリノーマがあります。やたらにお腹がすいてしょっちゅう食べなくてはならない食習慣も関係するのかも知れません。    他にも眼で見える腫瘍として尻尾の先が腫れて来る腫瘍も時々有ります。  そう言う事で、一般の方には見つけにくい腫瘍に掛かり易い動物ですので、定期的な専門病院での検診が大切です。早期の発見が治療や手術の成功につながります。早期の手術による腫瘍の破壊や摘出。抗がん剤の治療や特殊なホルモン抑制物質による内科治療など、それぞれ効果が期待できます。
良く見られる脱毛症状。始めのうちは勝手にまた毛が再生してきますが、だんだん生えなくなって来ます。
陰部の腫脹も特徴的な所見です。過剰なホルモンの影響です。普段の健康的なサイズを覚えて置いてください。
超音波エコーで検査中です。臓器の腫脹や液体の貯留や臓器の内部構造などが判ります。チョッと時間が掛かりますが動物に優しい検査です。
何か異常がありそうです。
症例1. 飼主様の話: チョッと前から元気が無かった。最近食欲もない。急にグッタリしてきた。オシッコが黄色くなった。食事は市販のフェレットフード(銘柄不明)、4歳6ヶ月のメス。
血色も悪く、元気が全く有りません。少し黄疸も起きています。レントゲンと血液検査で脾臓の極端な腫脹と副腎の腫瘍が見つかりました。脾臓の破裂による大出血死亡を防ぐために脾臓の摘出手術を行いました。。
お腹側からは腫脹した脾臓が透けて見えています。このままだと其の内に限界に達して脾臓が破裂する恐れが有ります。万事休すです。
巨大に膨らんだ脾臓がお腹一杯に詰まっています。
脾臓の所々にシコリが発見されました。腫瘍が入り込んでいる可能性があります。
とにかく血管が多い臓器なので慎重に確実に血管の処理をしていく必要が有ります。無駄に出血させてはなりません。
バナナぐらいのサイズの腫瘍がやっと無事に取れました。良く小さな体に入っていたものです。
手術後3時間です、少し食欲が出始めたのでしょうか?栄養剤と流動食を混ぜた物をなめ始めました。
此れから食欲や元気が戻って体力を回復してくれるでしょう。本当に危ない所でした。
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